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薬以外の治療法

★★★        薬 以 外 の 治 療 法        ★★★
心   理   療   法

認 知 療 法

“うつ病の背景には、ものごとの受け止め方(認知)にゆがみがあり、そのゆがみを発見して修正すればうつ病は改善される”
これが認知療法の基本的な考え方です。
認知療法は、受け止め方のゆがみを治療者(医師など)と患者が協力して探り出し、修正していくものです。
うつ病の人は1つの考え方にこだわりやすい傾向があるといわれます。
そうした性格傾向を修正するため、じっくりと話し合うのですから、とても時間がかかります。
自分がうつ病になった根本的な要因に気づくことは、むしろ、再発防止の観点から意味があるといえるのではないでしょうか。
一般的に、うつ病の治療で認知療法をとり入れた方がよいとされるのは、軽症うつ病神経症に近いケースです。
抑うつ気分が強くみられるとき、また、思考力が低下したり、悲観的で否定的な考え方にとらわれていて、周囲の意見を受け入れることができない状態におちいっている場合には、認知療法を用いることはできません。
妄想や記憶障害、あせりなどが強く現れていたり、
自殺の危険性が高いケース、そして双極性のうつ病に対しても、認知療法は不適切な治療法だといえるでしょう。

 (1)ゆがんだ認知(完全主義、思い込み、自分の否定的な面だけに焦点を当てて長
   所を無視するなど考え方のクセのようなもの)を確認し、正しいかどうかを見極め
   るようにする
 (2)ゆがんだ認知の代わりに合理的な考え方を身につける

■ 認知のゆがみのパターン ■

 ・恣意的推論(しいきてきすいろん)
   はきりとした証拠はないのに、あるものごとに対して「こうだ」と思い込み、独断で
   判断してしまうケースをいいます。

 ・二分割思考
   どんなものごとに対しても「どちらでもない」というあいまいな状態を認められず、
   白黒や正否をはっきりさせておかないと気がすまないケースです。

 ・選択的抽出
   自分が関心のある情報だけに目を向け、結論を先走ります。
   ささいなからだの不調にこだわり、「重病ではないか」と心配するといった状態で
   す。

 ・拡大視と縮小視
   自分の関心事を拡大解釈し、考えに合わないことは過小評価する傾向をいいま
   す。
   自分の長所を認めず、欠点や失敗ばかりに目がいってしまいます。

 ・極端な一般化
   たった1つの事実を取り上げて、すべて同じだと結論づけます。
   一度失敗しただけで、「何をしてもうまくいかない」と決めつけるような状態です。

 ・自己関連づけ
   自分のミスを重くとらえ、罪悪感におそわれて自身を追いつめてしまいます。
   「試合に負けたのは私のせいだ」と自分を責めるといったケースです。

 ・情緒的な理由づけ
   自分の感情を判断の根拠にしてしまう状態をいいます。
   たとえば、ある課題に直面したとき、その詳しい内容を知らされずに不安を覚え
   ると、「内容が分からないから不安なのだ」とは思わず、「こんなに不安なのだか
   ら、難しい課題に違いない」と感情にもとづく先入観を持ってしまいます。



行 動 療 法

深層心理ではなく、その人の行動そのものを対象とする訓練療法の1つです。
行動目標を決めて実行に移し、達成感を得ることでものごとに対するコントロール感覚を取り戻し、困難に対処する力を高めていく治療法といえるでしょう。
それまでの人生、体験のなかで身についた行動パターンを見いだし、そのかわりに「望ましい行動」を新たに習得してもらおうというものです。
たとえば、家族関係のトラブルからうつ病を発症し、帰宅拒否におちいっているとします。
帰宅拒否が「不適切な行動パターン」です。
その場合、まず週に1日帰宅し、次は2日を目標にする ・ ・ ・ というように日数を増やしていきます。
こうした一連の訓練によって行動パターンを少しずつ変え、失っていた自信や自尊心を取り戻し、目標の達成感による喜びを味わうことで、うつ状態からの回復をはかるのです。

■ 行動療法の技法の種類 ■

 ・系統的脱感作法
   不安や恐怖は筋肉がゆるんだ状態で消失します。
   そこで、自律訓練法などによってリラックスさせたうえで不安や恐怖の状況を思い
   出してもらい、それが消失することを体験させて、実際の不安や恐怖にも対処で
   きるようにします。
(対 象 : 不安神経症、心身症、不登校など)

 ・エクスポージャー法
   不安を感じる状況に直面させ、思い込んでいたような恐怖が実際に起こらないこ
   とを確認してもらいます。
   その体験を繰り返すことで、不安を感じる場面や状況に少しずつ慣れるように促
   していきます。
(対 象 : 強迫神経症心身症、精神疾患一般など)



対 人 関 係 療 法

「交流分析」ともいわれるもので、治療者(医師など)とのコミュニケーションを通じて、自分の対人関係上の問題点に気づき、自己分析によって問題解決をはかります。
うつ病に対しては、とくに通院している人のために短期対人療法(IPT)を行います。
実際の治療では、患者の現在の対人関係に的をしぼって面接をし、それらを「悲哀」「対人関係の役割をめぐる不和」「役割の変化」「対人関係の欠如」のいずれかにあてはめます。
親近者との死別、失恋や離婚などを体験した後、別れにともなう悲しみやつらさがいつまでも続いてしまうケースが「悲哀」です。
「役割をめぐる不和」は、夫婦や親子、職場での上司や部下との間で、それぞれがお互いに違うことを期待している状態です。
結婚や出産、就職や昇進、退職、離職など、社会生活の中での「役割の変化」により、新しい役割を果たすことが大きなストレスになる場合もあります。
「対人関係の欠如」は、患者が他人にこころを開くことができず、うまく対人関係をもてなかったり、続けられないケースです。
そして、対人関係上のトラブルがうつ病の発症のきっかけになったり、進行に影響をおよぼしていることに気づいてもらい、さらに、現在の対人関係についてどう感じ、どう変えたいのかを話し合います。
治療者は、対話を通じて対人関係上の問題点を見いだし、患者が自ら問題を解決していくことを援助します。

 (1)現在の人間関係をチェック
   いつ、誰と、どのような話をしていたか振り返り、現在の人間関係をつかむ
 (2)人間関係の変化をチェック
   「喪失体験」「コミュニケーション・ギャップ」「役割の変化」「人間関係の欠如」な
   ど、ストレスになっている人間関係をチェック
 (3)会話の内容をチェック
   対人関係でコミュニケーションが成り立っているか、具体的な問題について的確
   に話し合えているかどうか振り返る
 (4)上手に話し合う
   対人関係の問題がわかったら、その相手ときちんと話し合って解決する



自 律 訓 練 法

うつ病の発症には、精神的ストレスが大きくかかわっています。
自律訓練法は、自己催眠の一種で、自己暗示によって心身の緊張を解き、リラックスした状態に変える方法です。
静かな部屋で座ったり、横になって「両手、両足が温かい」といった特定の状態を思い浮かべ、そのイメージどおりになるよう自己暗示をかけていくのです。
段階的な訓練を続けるうちに、しだいにストレスに対処できるようになってきます。


カ ウ ン セ リ ン グ

患者と治療者との間で行う面談や支持療法などを含めて「カウンセリング」とよぶこともありますが、厳密にいえば、医学の分野で生まれた精神療法と、教育の分野で生まれたカウンセリングは異なるものです。
カウンセリングの基盤には
臨床心理士(りんしょうしんりし)(カウンセラー)によって実施されます。
精神療法の場合、こころの症状を取り除くことに主眼がおかれますが、カウンセリングでは、精神的トラブルを抱えた患者のこころの成長・発達を重視します。
カウンセラーは、患者の語る悩みや葛藤(かっとう)にじっくりと耳を傾け、批判や助言をすることなく、本人自身で問題を解決できるように働きかけます。
うつ病でも、
神経症に近いケースなどに対して行われているようです。


集 団 精 神 療 法

集団精神療法は、同じ病気の人どうしが集まり、互いに語り合うことで回復を促す治療法です。
闘病体験、病気の一因となっている性格傾向やものごとの考え方についてメンバーと話し合い、自分の抱える問題を掘り下げたり、ほかの人の対処法を学びます。
同時に、お互いの悩みや苦しみに共感し、「つらさをわかってくれる人がいる」という安心感を得ることが、病気の改善につながると考えられています。
患者だけで自助グループ(セルフヘルプ・グループ)を組織する方法、そこに治療者が加わる方法、入院下で、あるいは民間施設で共同生活を営みながら行うものなど、さまざまな形態があります。
うつ病の自助グループはまだ数が少ないですが、社会復帰の際、グループへの参加は有効とされています。


家 族 療 法

患者自身を含め、家族を構成する者どうしの相互関係を通じて問題解決を援助する方法を家族療法とよんでいます。
うつ状態にある人への対応について助言することも、家族療法の一環です。
家族療法では、患者だけではなく、家族全体を治療の対象とします。
夫婦を治療対象とする「配偶者療法(夫婦療法)」が適しているケースもあります。
家族にはそれぞれ、特有のコミュニケーション・パターンがみられるものです。
患者の症状は、そうした家族内の相互作用の現われととらえ、家族どうしが考えや思いを口に出すよう促しながら、コミュニケーションのパターンが変化するように働きかけていきます。


森 田 療 法

精神科医・森田正馬(まさたけ)氏は
神経症を「神経質」と「ヒステリー」に大別し、神経質の治療のために、森田療法を創案しました。
「なにごともこうあるべきだ」ととらわれてしまう性格傾向が
神経症を招き、症状を抑え込めばさらに悪化するという悪循環を断ち切ることを目標とします。
ちなみに森田氏の唱えた神経質とは、
強迫神経症不安神経症などにあたります。
入院下で畑仕事などを行い、
神経症があってもきちんとこなせるという体験を通じて、回復をはかります。
行動療法、治療者とのコミュニケーション、認知療法などの側面があることから、神経症的な特徴を併せもつうつ病に行うことがあります。

 ・強迫神経症
   自分でもばかばかしいと思っているのに、何度も手を洗う、執拗(しつよう)に戸締り
   を確認するなど、ある行為を繰り返さずにいられないケースをいいます。
 ・不安神経症
   「なにか悪いことが起こるのではないか」という不安をつねに抱いています。
   また、前ぶれもなしに突然、激しい動悸や呼吸困難をともなうパニック発作を起こ
   します。


芸 術 療 法

絵画、彫刻、陶芸、音楽、演劇、舞踏、写真、詩歌などの芸術活動を通し、リラックスを得たり自己表現をすることで精神的な障害を治療します。
作品から感じるイメージをもとに、より専門的な心理療法に結びつけることもあります。


運 動 療 法

ウォーキングやジョギング、水泳などの運動は、
セロトニンなどの神経伝達物質の機能を改善する働きがあります。
また、運動には日常的なストレスから開放してくれる効果もあります。
ひとりでできる有酸素運動が効果的です。


内   観

過去の行動の掘り下げや自己観察を行い、考え方や行動を社会に適合するようにします。


ゲ シ ュ タ ル ト 療 法

自分の中に自分を支える大きな力があることに気づかせる方法です。


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社  会  的  療  法

うつ病の患者は、症状が軽くなってくると一般に早めの社会復帰を望みます。
家族や職場に迷惑をかけているという強い自責の念から頑固に早期の復帰を主張することもありますが、回復が不十分であればあるほど「焦り」は強いものです。
中途半端な回復で復帰すれば、再発の危険性は高く、本当によくなっているなら、むしろもう少し休んでいてもよいと思える場合が多いといわれます。
「焦り」にうまくブレーキをかけることも、家族の大きな役割です。
実際に復職する際は、会社と上司の理解が不可欠となりますが、できれば主治医から産業医(会社の顧問医)に状態を説明してもらい、産業医から職場に働きかけてもらうとよいでしょう。
マイペースでできる軽作業から始めるのが理想的です。
いわば慣らし運転です。
ノルマや締め切りに追われる仕事からはしばらくはずしてもらい、遠慮なく通院できるように遅刻や早退を認める、残業をさせないといった配慮も必要です。
もうひとつ大事なのは、安易な配置転換は仕事の質を下げられたと自信を喪失することもあるということです。
きちんと回復さえすれば、もとの職場に戻っても問題ないのだから、しばらく仕事からはずしてもらうという気持ちも必要です。


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特  殊  な  治  療  法


無 け い れ ん 電 撃 療 法 (m-ECT)

無けいれん電撃療法は、手術室で全身麻酔をかけ、筋弛緩薬(きんしかんやく)を投与して身体けいれんを抑えながら、頭部へ電気刺激を加える方法です。
原則として、入院下で週に1~3回、合計6~12回程度行います。
脳に器質的なダメージを与えることはなく、脳内の神経伝達物質の代謝や受容体を変化させる作用があると考えられますが、効果を発揮する詳しいメカニズムはまだわかっていません。
副作用としては、健忘などがあげられますが、さほど重いものではありません。
自殺の危険性が高く、抗うつ薬の効果が現れるまで待てない場合や、数種類の抗うつ薬に反応せず、治療が長引いているときなどに、この治療法が選択されるケースがみられます。
治療によって、薬がまったく不要になることもあります。


光   療   法

おもに
季節性感情障害の治療で行う方法で「抗うつ薬の投与よりも効果的」という見方もあります。
高照度光照射装置を用いて、2500ルックス程度の強い光を頭部に照射します。
つまり、人工的に日照量を増やすわけです。
照射装置には、天井や壁に蛍光灯を並べた「部屋」と、電気スタンドやサンバイザーの形状をした「携帯用」のタイプがあります。
どちらを用いる場合でも、その前にすわって光源を1分間に数秒ほど見つめます。
朝(午前6~7時)と夕方(午後4~5時)に、1~2時間ほど行うことが理想的とされています。
ただ、実際にはなかなか難しいため、たいていは夕方のみの施療(せりょう)となりますが、それでも治療効果は得られます。
光療法は、、
季節性感情障害のほか、睡眠障害の治療でも行われます。




◎ 季節性感情障害
特定の季節になると抑うつ気分におちいり、その時期が過ぎると症状が軽快するケースがあります。
たいていは、日照時間が短くなる10~11月にかけて発症し、翌年の1~2月にもっとも症状が強まり、春になると徐々に回復していきます。
これが「季節性感情障害」といううつ病で、光の欠乏が誘因と考えられています。
人事異動や転勤など、季節に関係する心理的・社会的ストレスの影響が明らかなケースは除外されます。
過眠、炭水化物食品や甘いものの過食、体重の増加など、通常のうつ病ではみられない症状が生じやすいようです。
治療では、
薬物療法よりも光療法が大きな効果をあげます。


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